■練習と競技

  武術は攻防護身の技術であり、武道は武術を善用したひとつの教育方法である。
 武術の訓練を興味発展させたものが格闘スポ-ツであり、その訓練法を人格形成の教育法に応用して武道とした。

武道は体育を兼ねた人格完成への道であり、スポーツは人格完成を含めた体育である。スポーツのチャンピオンには熱狂的絶賛と尊敬が寄せられるが、そのコーチは影の存在となる。

スポーツにおいてはチャンピオンで終点となるが、武道では先生と呼ばれる位置がその上位にあり、チャンピオンをも膝まづかせる。

武道においてチャンピオンになることは、先生の仲間入りであり、先生達はそこからさらに、よりよい先生、師範になろうと努力する。

これが師道である。要するに武道は体力旺盛なる一時期のみが全てではなく、一生を通じて修行の道であるといえる。

 

■日本拳法ってどんな競技?

初めて日本拳法の大会を観戦される方や、習ってみたい方のために、説明いたします。

急テンポな日常生活の変化によって医学ではなおしにくい精神障害やストレスが増えているようです。

このようなとき、武道における剛直と礼の精神、スポーツにおける明朗、フェアープレーの精神は、健康保持、活力増進のためはもちろん、肉体活動を通じての自然への回帰、道徳心の喚起につながるものがあります。

「日本拳法」は、わが日本民族の伝統と歴史的発展の中に生まれ育った日本人の格闘技「武道」です。

日本拳法は、拳(こぶし)や足でもって突く、打つ、蹴るなどの当身技(あてみわざ)と、組みついたときに投技と関節逆捕技を行う徒手格闘技です。

皆さんは、ボクシングを見ていて「あそこで足払いをかけたら吹っ飛ぶだろう。」とか、
柔道でもみあっているとき「あそこで蹴れば一撃で勝負がついたのに」と思う事があるでしょう。

このようなことはボクシングや柔道では禁じられているから、やりたくてもできませんが、日本拳法ではそれができるのです。

突き、打ち、蹴りを防具をつけることと競技規則によって、お互いに攻撃と防御を行なって得点を争う現代的な格闘技、それが「日本拳法」です。

防具は、人体のうちもっとも大切な個所(急所)を加撃から守るために着用する面(めん)、胴(どう)、股当(またあて)と攻撃手拳ならびに足を保護するグローブ、シューズから成り立っています。

■競技方法

競技は、対角線7mの方円内で、 競技時間3分間(若年、壮年は2分間の場合もある)で本数勝負法、三本勝負法とがあります。
 
得点は、
  1. 効果的な強い突き、蹴りが、規定の個所(面・胴)に的中したとき。
  2. 連撃で相手を圧倒したとき。
  3. 倒れている相手の顔面部が床面についているとき、または小さい間隔のときは、正しい空撃の形で行う。
  4. 股間部に対して、正しい打ち、蹴りの形をとったとき。
  5. 投技は、弾みがつき相手を圧倒したとき、相手の腰部を胸、肩の高さまで巧みに抱きあげたとき。
  6. 関節逆捕技で相手を制したとき。
  7. 相撃ちのとき得点は相殺され、時間切れと同時に決まった技は有効です。
反則は、
  1. 防具着装以外の部分に対して、故意に加撃すること。
  2. 倒れた相手の顔面部に強い当身技を施すこと。
  3. 相手の身体を持ち上げ、首から床面に突き落とすこと。
  4. 肘または全腕部を脇に抱え、関節部に対して体をあずけての逆捕技をすること。
  5. 関節部に対して、当身技による逆捕技を行うこと。
  6. 不当に防具を掴むこと。
  7. 相対したまま両足が方円線より出ること。(注)片方の足のみが方円線外に出たとき、取組み合い倒れて出たときは場外にはならない。
  8. 方円線外に組打ち中、上位を占めた者が当身技を施そうとしたとき、組みしかれている者が故意に外円線外に離脱すること。(注)組みしかれている者、倒れた者が故意に外円線外に離脱したときは攻撃側の得点を認めることができる。
反則による罰則
  1. 注意:注意は二回で警告となる
  2. 警告:警告は1点減点する
  3. 失格:悪質な違反者は失格を宣言する

審判と勝敗の判定は、公式競技会は、審判長、主審1名、副審2名で行います。

審判長は、競技規則が厳正に運営されているかどうかを監視するほか、審判員の判定に対し、特に 疑義のある場合は無効を宣言することができます。

主審は、競技場内にいて競技の進行と勝敗の判定を行い、勝負の結果を宣言します。なお主審の得点、減点に対しては、専属の記録員が判定用紙に正確、忠実に記録します。

副審は、競技場外の位置で得点、減点を自主的に判断し、判定用紙に記載し、勝負の判定を行います。

主審と副審の多数決により「勝」「負」「引分」を判定しますが、三者の判定がいずれも異なる場合は「引分」とします。

また、一方が著しく優勢な場合は、試合終了を待たずに「圧倒勝ち」とします。

また、負傷のため試合ができないとき、

@負傷の原因が自己にあるときは負傷者
A相手の反則によるときは反則者
B偶発性のとき、競技時間の半ば以上経過しているときは、中断時の判定によって勝敗を決めるが、次の競技を残している場合は、負傷のため競技ができない者を「負」とします。

■拳法方円競技場について

片足場外に出ることを不問とすれば、土俵円と同じように無限の広場になることが判り、場外反則時の処理も可能になった。

過去に欧米文化によって創られたボクシングのリングを使用したときの反省の上に、試合の待機の姿勢、進退の動作、礼法等、日本の伝統を受け継ぐものにしたいと念願している。